当事者、支援者、地域住民が教育の視点からリカバリーを学ぶ
代表者:櫛田真悟 所在地:岡山市 設立年:2018年 メンバー数:14名 助成年度:2023年度 教育文化活動助成
活動の目的
岡山県の総人口は2020年を機に減少期に突入しているにもかかわらず、精神保健福祉手帳所持者数や不登校発現率は年々上昇している。さらには昨今、制度のはざまに落ちてしまったり、所謂「グレーゾーン」といわれるような、豊かな生活を送るきっかけをつかみにくい状況にある方も少なくない。その一助になればと、疾患の有無、⽴場、背景の壁を越えて、メンタルヘルスの課題と付き合うための教育の場を提供していたリカバリーカレッジOKAYAMAの再建を目指すこととした。コロナ渦に入り活動拠点や活動母体を失っていたがこの活動の再建を通して、地域のメンタルヘルスの向上に貢献し、他機関や地域とのネットワークの構築。また、関わる⽅々の⽣活の幅を増やしたり、ひいては地域活性にもつながるような卒後教育に代わる場の提供を目的とした。
活動の内容及び経過
4月から運営委員、賛助してくれるメンバーとともに今年の方針活動内容を決定していった。
①カレッジ運営のトレーナー養成研修を行うこと②愛媛での活動を広める講演会を行うこと③冬講座の開校④全国のリカバリーカレッジとのコラボ等をしていくことが決まった。
「協働する」ことを原則としているが、一方で言葉で言うは易しであり、運営していく中での衝突や葛藤も各メンバーにはあった。しかし、各々リカバリーカレッジの活動が自分にとっても、他の方にとっても役立つという共通認識のもとすり合わせたり、一緒に悩み乗り越えていった。
毎月の定例ミーティング、班ごとの随時ミーティング、カリキュラムの打ち合わせなど多くの時間をメンバー同士共有しながら取り組んだ。
コロナ禍明けはじめての1年間を通した、リカバリーカレッジOKAYAMAの活動が関わるメンバーみんなで行えた。
活動の成果・効果
①トレーナー養成研修9月
14名の参加者のもとカレッジを学び直したり、理念について考え、話し合いを行った。県外メンバーも参加し、会場も表町から北長瀬と少し拡大した。
②愛媛で活動を広める講演会10月
・リカバリーカレッジの紹介・OKAYAMAについて活動共有・リカバリーについて参加者で語り合い等を行った。約30名ほどの参加者でにぎわった。
③冬講座の開校1~3月
開校式13名参加から始まり、「自分にとってのリカバリー」等の既存の講座や「ポジティブ心理学」などの新規講座まで計15セッション行った。対面・ZOOMと開催方法を工夫しながら延べ100人以上の参加となった。
④全国のリカバリーカレッジとコラボ2月
全国の文化祭企画とコラボし、OKAYAMAの「ドラマ&シネマリカバリー」という講座を全国向けにオンラインで開催した。名古屋や広島など各地からの参加者があった。
今後の課題と問題点
・活動の継続性
どうしても活動が各メンバーのボランタリティに任せる形となってしまっている。余白部分の活動であるために、各メンバー自身の生活のために割かれる時間も必要で、ムラがあったり思うように打ち合わせ等が進んで行かない場面があった。
・メンバー間での意思疎通、理念の共有
2018年以降形は変えつつも、5年程やってきたがために、それぞれの中にカレッジに対する想いがあった。それはいいことではあるが、その共有がなされないままに活動が進むことでの衝突などを経験した。みなで大筋の方向性の共有などは必要と感じた。