魅力ある未来の学園プロジェクト
代表者:笠原宏之 所在地:浅口市 設立年:2019年 メンバー数:16名 助成年度:2023年度 教育文化活動助成(3ヵ年助成)
活動の目的
Society5.0を迎えるこれからの学校は、予測が困難な複雑で変化の激しい社会に、どのように向き合い、どのような資質・能力を育成すべきか、教育課程を工夫し、教育活動を展開する必要がある。人口減少が進んでいる寄島町では、社会に開かれた教育課程を学校・地域・生徒で検討・作成し実施することが求められている。
そのために申請活動では、地域の方々と共に、地域に開かれた教育課程「よりしま学」を継続し、学校園・家庭・地域の三者の教育力を相互に高め、共に子どもたちの豊かな学びと育ちの創造を目指すことを目的とした活動を行った。
活動の内容及び経過
○地域に開かれた教育課程「よりしま学」を通して自己肯定感を高める指導方法の工夫について研究した成果から作成した手引き書をもとに実践を積み重ね、効果検証を行った。
○中学生や地域住民の出番づくりをした。
・赤ペン先生、読み聞かせボランティアなど(中学生)
・アサガク防犯教室、ふるさと学習サポートなど(地域住民)
○昨年度からの漢字検定への取り組みを継続した。(年間2回の実施:参加のべ人数56人)
○地域貢献活動を目的として結成した、小・中・高校生グループ「よりしま!みつけ隊」の活動を継続した。
活動の成果・効果
〇「よりしま学」を通して、郷土愛を測る指標として学校評価で見取った。その結果を見ると「寄島のことが自慢できる」83%→87%へと伸びた。地域の方とかかわりながら学習を積み重ねる中で、地域のことが好きになり、自己肯定感の高まりにつながっていると考えられる。
〇よりしま学のみならず、寄島学園合同避難訓練でも、地域ぐるみで子どもの学びをサポートする体制により、子どもや教職員の意識や行動の変容につながり、さらに地域の方々の行動力にもつながっている。
〇「よりしま!みつけ隊」の地域貢献活動は、地域のために、自分たちで考え行動する力や、問題解決力、コミュニケーション力、自己有用感など非認知能力の向上や、ふるさとを誇りに思う気持ちの高まりへつながっている。また、小中高校生と、サポートする大人の縦のつながりが深まり、子どもと大人で寄島を元気にしようとする地域の活性化への大きな一助となっている。
今後の課題と問題点
・義務教育学校につながる「社会に開かれた教育課程」については、小中教職員のベクトルを合わせ、地域の方とともに持続可能なものとしていかなければならない。地域の方々の意見を取り入れながら、実践・評価・改善を図る一連のPDCAサイクルを確立していかなければならない。
・コミュニティ・スクールに関しては、メンバーが代わっていく中で、教職員の学校運営協議会参観や、地域住民や児童生徒との熟議を重ね、目的意識や当事者意識を高めていく必要がある。
・地域学校協働本部では、地域CNやボランティアの高齢化が課題である。地域CNは、メンバーを4人体制としたことで、地域活動が活発になり、高校生や大学生など若い世代への新たなボランティアの輪が広がってきている。今後も新たなつながりから、学校を核にした地域活動を通して、若い世代の方に、地域を見つめなおす目を養うように仕掛けていきたい。