ぬかの井戸端 3つのお店の開店と2つの企画展

団体名:ぬかつくるとこ
代表者:中野厚志 所在地:早島町 設立年:2013年 メンバー数:5名
助成年度:2022年度 教育文化活動助成

活動の目的

昔は地域のコミュニティースペースとして交流の場所だった井戸端。今回、ぬかでは3つのスペースを作り運営を開始した。共通して言えるのは、地域の人たちに「ぬか」を知ってもらい多様な人と繋がっていくための拠点(現代の井戸端)ということ。また、ぬかに今ある資源を活用してコロナ禍の中でも楽しみを見出し、ワクワクした活動を拡張することで「福祉」という枠を超えた活動を目指していく場所ということ。以下3つのスペースの運営を開始した。また、①「イドノウエ」にて2つの企画展を行った。
①「イドノウエ」ぬかの敷地内にある井戸を活用したアートギャラリースペース。
②「戸田書院」ぬかを利用している戸田雅夫さんが店主の古書店。
③「ぬかるみ商店」ぬかで日々膨大に生まれてくるモノに新たな循環を生み出す、無人販売店(屋台)をイメージしたお店。

活動の内容及び経過

井戸端オープニングイベント
日時|2021年7月18日(日)10:00~16:30
場所|ぬかハナレ(岡山県都窪郡早島町前潟126)

①戸田書院
戸田雅夫さんが店主の古本店
戸田さんが選書した本が並ぶ古本屋がこのたび開店しました(最初はごく少数の在庫から始めます)。営業は週に2日ほど。

本の販売|「ホホホ座浄土寺店山下さん」選書の本の販売を行います。
トーク|登壇|山下賢二(ホホホ座浄土寺店)/戸田雅夫(戸田書院)
日時|2021年7月18日(日)15:00~16:30
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②イドノウエtinyartpoint
半野外、極小のアートポイント(ギャラリー)
ぬか企画の展覧会スペースとしてオープンしました。井戸の上にある東屋4.4m×1.7mほどの壁面にて絵画などの平面作品を、また、実際の井戸の上の展示台にて立体物を展示することができます。

企画展1|石原麻紀展「あやちゃん」
会期|2021年7月18日(日)~8月14日(土)10:00~16:30

いつも元気でニコニコなマキちゃん。編み物やトランプなど好きなことがたくさんあり多趣味。「ぬかつくるとこ」には「あやちゃん」という大好きなスタッフがおり、あやちゃんとツーショットの絵を描いたり、一度も交換したことがない交換日記の制作を続けている。今回、大好きな「あやちゃん」への愛の結晶のような作品が展示される。

トーク|「親愛なるあやちゃんについて」
日時|2021年7月18日(日)13:30-14:30
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③ぬかるみ商店
雑多な工作物が並ぶ移動式の小さな屋台
OPEN|毎月末
「ぬかつくるとこ」で制作された工作物、毎月の行事で作られる看板や装飾品など、「ぬかるみ/発酵が進む桶の中」から生まれでたような未分類のものを販売またはお譲りするお店です。開店は不定期。出展前には、ぬか敷地内にある小さな神社(スタッフ制作のもの)で祈祷ののち、出展されます。ぬからしい雑多な作品群に出会うことができます。
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企画展2|レオの髪型展
会期|2022年11月23日(水・祝)ー12月3日(土)
時間|10:30-15:30
会場|イドノウエtinyartpoint(岡山県都窪郡早島町前潟126)
企画|そのうち国際芸術祭

本展は、寝癖がつかないように模索した結果「おかっぱ」型の髪型になった男性(レオさん)にまつわる展覧会です。「なんでそんなんプロジェクト」の投稿事例「レオの髪型」は周囲の人のツッコミによって発見されました。

トークイベント
①髪型をめぐるあれこれ
レオの肖像画の作者久保田沙耶さんをお招きしてのトークイベント
日時|2022.11/23(水/祝)17:00-18:30
会場|ハナレ(イドノウエ横)
出演|久保田沙耶(美術家)滝沢達史(美術家/ホハル代表)
レオ/湯月洋志(ぬかスタッフ)
②おかっぱのつどい
髪型として、おかっぱをしたことがある方、現在おかっぱの方、これからやってみようかなという方の集いの会です。お気軽にお越しください
日時|2022.12/3(土)16:30-18:00
会場|ハナレ(イドノウエ横)
出演|レオ/湯月洋志(ぬかスタッフ)/ピエール池之上さん

活動の成果・効果

オープニングイベント
告知|チラシ・WEB・SNS
オープニングイベント来場者延べ|100名
トーク|登壇|山下賢二(ホホホ座浄土寺店)/戸田雅夫(戸田書院)
トーク来場者|25名高校生ボランティア|5名

戸田書院来場者延べ|100名

企画展1|石原麻紀展「あやちゃん」展覧会来場者延べ|200名
トーク|「親愛なるあやちゃんについて」トーク来場者|15名

ぬかるみ商店来場者延べ|100名

企画展2|レオの髪型展展覧会来場者延べ|200名

トークイベント
①髪型をめぐるあれこれ来場者|20名

②おかっぱのつどい来場者|3名
コロナ禍の中でも今すでにある資源(井戸周辺にある東家や台車を使用した屋台、ぬか利用者の魅力など)を活用することで、作品や創作物の発表の場をつくり、地域と接続する拠点づくりができている。しかもどれも小さな規模のものだが、小さいがゆえに無理のない運営ができ、思いついた企画をスピード感よく展開できる。SNSやホームページなど告知に予算をかけることなく興味のある人へ情報発信できることも功を奏し、集客を行うことができた。また、スタッフのコネクションを活かし、地域外ではあるが金光学園中学高校、おかやま山陽高校の学生ボランティアにもオープニングイベントに携わっていただき、イベント運営を導入としてに自然な形で福祉、アートへ関わるきっかけになっていたように感じた。

今後の課題と問題点

「イドノウエ」はぬかのコマーシャルギャラリー(貸ギャラリーではなく、主催者企画の展覧会のみを行うギャラリー)として、「ぬかつくるとこ」へ通う利用者さんの作品展や、「アトリエぬかごっこ」へ通うお子さんの遊びや作品を紹介する企画など、ぬかの魅力を情報発信する拠点として十分に活用されてきた。企画展の中でもぬか以外の出展者や飲食店などにお声かけし、できるだけ地域や社会へ開いた形をとってきたが、この場所をより魅力的に活用する企画者やアーティストと繋がり協働での活用などができると、今まで以上に地域や社会に根ざした場所になりうるのではないかと考える。この課題は「ぬかるみ商店」や「戸田書院」にも言えることで、場所の鮮度をよりよく保つための工夫がいるような気がしている。

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