島の花椿を植えたことよって、島民と若者が交流でき未来の話ができた

団体名:飛島ガーディアンプロジェクト
代表者:日置幸 所在地:笠岡市 設立年:2018年 メンバー数:11名
助成年度:2022年度 教育文化活動助成
  • 椿の苗植樹集合写真
  • 椿植樹説明
  • 防災教室
  • アミューズ会竹細工

活動の目的

居住人口二十数名の大飛島の高齢化率は90%を超えている。商業施設もない島では、経済活動を継続するのがやっとである。しかし「これからの飛島どうしようか」と考えるきっかけや習慣もなかったため、分かりやすく楽しいイベント形式で意識づくりをしようと考えた。そして、悲観的な未来ではなく、楽しみになるようなきっかけが良いと思った。また、離島留学で飛島に滞在している中学生たちとも関わり、来年再来年椿の花が咲くころにまた出逢えるような思い出にしたい。植樹をすることだけが目的ではなく、植樹をするときや前後の整備の時、打ち合わせの時に島民と飛島の未来を語れたら大成功である。力仕事は若者の方が得意で、植樹するための知識は島民のほうが持っていてよい関係で行われる。

活動の内容及び経過

6月の椿の苗植樹に向け、島民と植える場所や本数を相談・整備を習う。5月には、毎日整備をして当日に備えた。椿にも様々な種類があり、島民のこだわりも新たに知った。園芸用の椿は種類も豊富で可愛らしい見た目だったので好まれるかと思ったが、島民は藪椿が一番好きそうだった。植樹当日まで、日常の中で植樹の話題で持ち切りで、企画してよかったと思った。やる気に満ち溢れた島民たちは、そのまま伐採等奉仕活動を始めたので手伝った。アミューズ会は4回以上開催し、中でも竹細工職人の講師をお呼びして竹細工を習ったのが新鮮だった。11月の公民館文化祭では、アミューズ会で制作したものを展示するのがおなじみとなっていた。毎年開催する、ガーディアンから島民へ感謝を伝える会「成果報告会」は気候が良くなかったので、初めての体育館でのレクリエーション大会となった。

活動の成果・効果

ガーディアンが中心となって、離島留学生と島民たちが一緒に活動することが当たり前の日常になった。また、令和3年度に島民と一緒に作成した地域計画についての実践を行った年度でもあったので、植樹やアミューズ会、レクリエーション大会も相まって、「防災」や「空き家」についてガーディアンが引き受けても問題ない空気となってよかった。離島の抱える大きな問題の一つに「放置されている空き家」に関する課題は山積みであるが、ついに「ここ使っても良いよ」というお声掛けを2件いただいた。大きな進歩である。島民の中に、「空き家は絶対譲りたくないけど、この先どうしよう」という考えをもってもらえて令和4年度の植樹イベントを中心とした関わりは非常に良いものであったと思う。

今後の課題と問題点

課題点は通年であるが「船代」である。片道1020円で月一回の活動日だけでは賄えない準備や島民との関わりを考えると、予算面の課題は尽きない。もちろん船代を自費で来てくれる時もあるが、勧められる額ではない。また、メンバーも平均20代前半であるため学業や仕事が忙しく関わり方の濃淡が濃くなってきた。若者の生活の中に飛島での活動をうまく取り入れてもらい、コーディネートしていくことが必要である。島内の重要な役割を担えるようになってきたからこそ、メンバーそれぞれの持ち味を生かした配置をしていく配慮も一層必要となっていた。月に一回の島活動日と月に一回のオンラインミーティングを充実させていけるようにしなければならない。

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