子どもたちとその保護者にSTEM教育の機会と今後の入口を与えることができた
代表者:藤村元 所在地:備前市 設立年:2017年 メンバー数:11名 助成年度:2021年度 教育文化活動助成
活動の目的
備前市およびその周辺をはじめとする中山間地域の子どもたちは、都会に暮らす同年代の子どもたちに比べて、プログラミングやロボット工学をはじめとするSTEM教育の機会が十分に保証されているとはいえず、そのため専門家などの力を借りてまずはその機会を創り出すことが必要であると感じていた。また、その機会のあともそれぞれが学びを続ける環境を持ち続けるために、保護者への啓発や切磋琢磨しあう関係の子どもたちとの出会いをつくりだしていく必要があると感じていた。したがって、主にこの2つの目的をもって今回の活動を実施した。
活動の内容及び経過
・2021年6月26日サッカーロボット体験教室@和気町公営塾参加者9名
和気町公営塾と連携し、サッカーロボットを動かす体験教室を実施した。基本のプログラムから赤外線センサーを活用してボールをおいかけるプログラムまで学び、まずはサッカーロボットやプログラミングがどのようなものか体験してもらった。
・2021年7月17日&8月7日サッカーロボット作成&発展コース@和気町公営塾参加者1名
6月26日の参加者の中から、発展的に学びたい子どもたちのためにロボットの作成から大会にでられるようにまでのサポートを行った。コロナの影響で日程が変動したせいか参加人数が少なかったが、その分しっかりと学ぶ機会を提供できた。
・2021年11月27日ロボットプログラミング体験教室その1
@伊部公民館参加者17名
備前市において、NHK小学生ロボコンにみんなで出場するためにロボット作成とプログラミングについて学ぶ教室を行った。保護者への啓発を行うため、原則保護者も参加とした。
・2021年12月12日ロボットプログラミング体験教室その2
@伊部公民館参加者17名
11月27日にひきつづき、それぞれが大会に出すロボットをもちより、情報共有やアップデートを行う教室を実施した。
・2022年1月15日のNHK小学生ロボコン予選本戦の結果報告をもって、本事業を終了。全国大会まですすめた子はいなかったが、1年生で予選本戦で健闘した子どももいた。
活動の成果・効果
今まで備前市内に活動拠点をおいていたが、今回はじめて和気町で講座を実施して、活動の広がりを感じることができた。今回のつながりをきっかけに、今後も和気町での活動を広げられると感じた。
また、備前市ではロボットサッカーではなくはじめてNHKロボコンへ参加の照準をあわせて教室を開催した。これはNHKロボコンがオンライン参加での予選を実施しており、コロナ禍でも子どもたちが大会に参加しやすく、また大会指定のロボットの基盤がスマホやタブレットでも動かすことができ、その面でも参加のハードルが低いと思ったからであったが、予想通り多くの子どもたちが大会に参加してくれた。1月15日の本戦に参加できた子もいて、他の参加者のロボットを見ることで次の学びへの大きな刺激になったと思われる。また、今回は1回目と2回目の間の期間に各家庭でロボットを作ってもらう方式にしたため、保護者の関わり度合いが非常に高かった。保護者もロボットの構造やプログラミングに四苦八苦しながらも最終的には子どもたちと一緒に学ぶ様子を見て取ることができ、目的の達成を感じた。
今後の課題と問題点
新型コロナウイルス感染症の影響で、和気町で開催する教室の日程がずれてしまい、参加者の数が結果的に減ってしまった。日程の変更は子どもたちの機会を奪うことになるため、このような状況下でも日程の変更ではなく別の方法で教育の機会をとどける方法をあらかじめ用意しておく必要性があると感じた。また、今回和気のほうでは対象を5年生以上として対象の範囲を狭めてしまっていたが、備前市のほうの教室で1年生の参加の様子を見る限りでは、うまくできなくても低学年でも学びにつながるということが見て取れたので、和気町の教室では学年の設定を失敗したと感じた。