こどもたちが主体的に活動し、地域社会になじみ、地域を支える社会人となるよう育成する
代表者:井辻美緒 所在地:矢掛町 設立年:2014年 メンバー数:80名 助成年度:2020年度 教育文化活動助成(3ヵ年助成)
活動の目的
年代を越えてこどもたちが主体的に活動し、地域社会になじみ、地域を支える社会人となるように育成するとともに、中山間地域の地域おこし・地域創生における若者の役割を自覚させ、矢掛町の発展・充実・振興に資することを目的とする。
活動の内容及び経過
【「被災高校生ネットワーク」の構築】
災害直後は、まず自分の生命を守り自分の生活を確保することが最優先でした。『新しい価値の創造』には若者の意見や企画が必要です。もちろん行動も。災害の経験を語り部として各地に発信するとともに、様々な意見を聞いて地域創生の提案をしていきます。2020年度から継続し、被災した全国各地の高校生と協働で「被災高校生ネットワーク」を構築、ネット上で発信します。支援される側でしたが、今度は支援する側に回りたいと、台風による大きな被害を受けた宮城県丸森町の伊具高校の生徒との交流も始めました。
【YKG流しそうめん会議】前回に出た今年のやりたいことの一つとして、「流しそうめん」がありました。コロナで流しそうめん。中学生が主に考えている、動画作成グループ。小学生が主に動いている、歴史探訪グループ。動画グループは矢掛町内のどんなところで、どんな撮影ができるか、撮影許可が必要なことを教わり、実際にロケハンしたり、撮影日程の詳細などを決定。歴史グループは図書館に行って、矢掛のそうめんの歴史について調べ発表。「中流域で作っていた麺が近代になって下流域に移り最終的には海沿いまで行く」という話に納得。
【備える暮らしワークショップ】
矢掛公民館大ホールで「備える暮らしワークショップ」を開催。「もしもの時」に備えるために、暮らしの中で無理なくできることを考えるワークショップ。ワークショップでは「マイシェルター」、自分にとって快適な避難所ってどんな場所なのか、被災地の現状を教わりつつ考え、「マチケアコモンズ」というアプリや、備蓄しながら暮らす「ローリングストック」などを学び、防災を暮らしの生活の中に当たり前にしていくことをみんなで考え体験した。
活動の成果・効果
地域課題解決活動にこども自身が参画していく活動を通して、地域の未来を担う能動的主体としてこどもたちが成長していくとともに、参画を通して地域の変容を期待する。YKG60は、環境問題から始まり発展してきた。地域に目を向けた小中高校生を含む地域住民は、さらにグローバルな視点を持ち始めている。田舎に住んでいてもインターネットやSNSを活用することで海外と交流するまでの効果を期待する。
今後の課題と問題点
矢掛町は県南西部に位置し、小田川の流域に開けた人口1万4千人の町で、江戸時代山陽道の宿場町として栄え、当時の本陣、脇本陣が今も旧姿をとどめる歴史と文化の町である。中山間地域の自治体として少子高齢化・定住人口の減少などの課題を抱えている。多様化・高度化する生活意識の変化に対応し、生き生きと豊かで快適な生活が送れるよう、生活基盤の整備や自然と人が共生できる環境の確保を図るとともに、地域社会における人と人との交流を深めるための取り組みを進めていくことが必要となっている。