地域とともにある学校づくりによるこどもの育成と地域づくり
団体名:よりしま魅力化推進協議会
代表者:笠原宏之 所在地:浅口市 設立年:2019年 メンバー数:17名 助成年度:2020年度 教育文化活動助成
代表者:笠原宏之 所在地:浅口市 設立年:2019年 メンバー数:17名 助成年度:2020年度 教育文化活動助成
活動の目的
Society5.0を迎えたこれからの学校は、予測が困難な変化の激しい社会に、どのように向き合い、どのような資質・能力を育成すべきか、教育課程を工夫し、教育活動を展開する必要がある。そういった背景から、SDGsの視点で、地域に開かれた教育課程を学校・地域・生徒で検討・作成し実施することで、児童生徒が社会の形成者として、多様な人々とのつながりを保ちながら学び、社会をよりよくできる実感を持てるようにする。また、寄島町は、少子高齢化、人口減少が進んでおり、将来の地域の担い手が減少している状況にある。そうした中で、竜南保育園・寄島こども園・寄島小学校・中学校と保護者及び地域住民との双方向の信頼関係を深め、学校・家庭及び地域がその教育力を相互に高め、共に子どもたちの豊かな学びと育ちの創造を目指す。
活動の内容及び経過
- よりしま魅力化推進協議会を年間5回、学校・家庭・地域の代表で組織する下部組織(学びづくり部、心と体づくり部、絆づくり部)で、各部会の課題解決に向けた取組を協議・共有した。学びづくり部(小中一貫教育での学習スキルや学び方のきまり、家庭学習の手引き、保護者啓発用クリアファイルの作成等)心と体づくり部(「認めて・ほめて・励ます」言葉のシャワーの児童生徒、保護者への取組、生活リズムカードへ保護者サポート度の欄を加え、保護者の基本的生活習慣への意識を高める取組等)絆づくり部(CS啓発用のぼり旗の作成、学校支援ボランティア(中学生、地域住民)の充実、小中学生の保育園児・地域住民との交流活動等)
- 生活科・総合的な学習を核に、小学1年から中学3年までSDGsを視点に郷土を学ぶ、地域に開かれた教育課程「よりしま学」の作成へ向け、教員によるフィールドワークや、地域住民や中学生の意見を取り入れた熟議を行い、「よりしま学」カリキュラムシート、ストーリーシート、指導計画など手引となるものを作成した。
活動の成果・効果
- 縦軸を小中一貫教育、横軸を学校×地域の協働と捉え、様々な教育活動を工夫する中で、PTAや地域住民が教育者としての当事者意識をもち、「地域の子どもは地域で育てる」という気運の醸成につながりつつある。
- 地域住民や中学生の意見を取り入れ作成したカリキュラム、地域に開かれた教育課程「よりしま学」の実践により、ふるさと寄島を愛し、郷土を守ろうという意識の醸成に繋がっている。また郷土の課題解決や魅力発信を行うことで、問題解決力、コミュニケーション能力等スキルの向上につながった。
- 子どもにとっては、地域の方々との「顔の見える化」が図られ、防犯対策や、日常での地域における挨拶・交流など、人と人とのつながりを深める一助となっている。
今後の課題と問題点
- i-check(評価システム)の結果から、学習習慣や生活習慣では、全国平均より高く効果が見て取れるが、自己肯定感については大きな課題があるという結果であった。また、2時間程度を目安にしている「メディアに関わる時間」では、3時間以上が多く、1時間以内が少ないという結果でメディアに関わる時間がまだまだ多いという状況が見て取れた。
- 今後、自己肯定感を高める授業づくりや、児童生徒の「居場所と出番づくり」となる、多様な他者との交流活動や体験活動の充実、「よりしま学」での学び、家庭教育への仕掛け・啓発など、学びの基礎基本の定着や、自己肯定感・自己有用感の向上につながる取組を着実に進めていかなければならない。
- この取組を持続可能なものとするために、組織、関係者の目的意識や当事者意識を高め、学校・家庭・地域の三者協働による子どもの育成が深まるような仕掛けが必要である。