備前市内の小中学生計35人に、ロボットプログラミングの教室を開催した
代表者:藤村元 所在地:備前市 設立年:2017年 メンバー数:10名 助成年度:2020年度 教育文化活動助成
活動の目的
備前市の子どもたちにSTEM教育の機会を提供する。今回特に目的として意識したのは「単発のイベントでおわらず、子どもたちが引き続きまなび続けることができる機会」の提供である。この目的を達成するため、「子どもたちが学びつづける目的(モチベーション)を保ちつづけるようにする」「わからないことがあれば専門家に相談することができる」といった環境の構築ができる内容を考えた。その結果、地元のプログラマーの方とタッグを組み、岡山大会から世界大会まで勝ち進むことのできるロボットサッカーの教室を実施することにした。教室では子どもたちにロボットの組み立てからプログラミングの方法まで教え、あとは自力でアップデートできるようになってもらった。また、プログラマーの方に相談窓口をつくってもらい、いつでも専門家に相談できるようにした。
活動の内容及び経過
- 10月11日(日)「指導者研修」参加者:大人9名
子どもたちの教室で1人1人のフォローにあたってもらう指導者向けの研修を行った。実際にロボットを触り、ロボットの基本的な考え方やプログラミングを学んだ。
- 11月7日(土)&11月15日(日)
「ロボットサッカー体験教室」
参加者7日:18人、15日:17人
曜日と場所を変えて、同内容の講座を2回行った。これは「体験」という位置づけで、こちらが用意した完成済みサンプルロボットと端末を使用して、ロボットでのサッカーを各々体験してもらった。ここでの体験をもとに、さらに続けて深く学びたいという人は、自分でロボットキットとパソコンを購入して次の発展コースに参加してもらうという形式をとった。
- 12月13日(日)&1月17日(日)「発展コース」
参加者:両日12名
自費でロボットとパソコンを購入した子どもたちが、ロボットの組み立てとロボットを動かすためのプログラミングを学んだ。
活動の成果・効果
やはり保護者や子どものSTEM教育への関心は高く、当法人が実施するほかの企画よりも多くの参加申し込みがあった。また、ロボットとパソコンを購入するというハードルの高い条件であったのにも関わらず、12名の子どもが発展コースまで参加してくれた。今後、この子どもたちが他の子にすすめたり、大会に参加して他の子の身近なモデルになったりすることで、STEM教育のハードルがさらに下がっていくと思われる。また、この子たちがサッカーロボットの質問を通してプログラマーの人とつながりをもつことで、近接領域への興味・関心を育み、また挑戦する機会を提供することができるはずである。さらに、今後大会を目指して合同の練習会を実施したり、他の地域でイベントを実施するなどして、今回できあがったロボットサッカーのコミュニティをより発展させていきたい。
今後の課題と問題点
今回ロボット教室を実施して分かったのは、子どもたち1人1人を見てくれる指導者の存在が重要だということである。内容的にもそれなりに難しく、基本的に正解はない自分の発想で行っていく部分が多いので、子どもたちをフォローしたり発想を引き出したりする指導者は必要不可欠である。しかし、指導者が上手く機能するためには、講師をしてくれる専門家とまではいかなくても、それなりの知識と経験が必要になってくる。そういう意味では、講師1人がいても場が成り立たないので、今後コミュニティを広げたりほかの地域でも実施したりするにあたって、こういった指導者を増やしていくことが必要になってくる。しかし指導者を同じ日にあつめて研修するのは、日程調整が大変であり、複数回実施するのも講師の負担が大きい。そのため、この指導者研修をいかに効率よく実施できるかどうかが、今後の課題である。