若者の離島での拠点作りの導入としての畑の整備
代表者:日置幸 所在地:岡山県 設立年:2018年 メンバー数:11名 助成年度:2020年度 教育文化活動助成
活動の目的
離島に住居や事務所を構えるのは難しい。空き家が多いが、島民はだれかに貸したり、売ったりすることに抵抗がある。畑というハードルが低いところから、徐々に我々の活動拠点を確立したいと考えた。飛島に初めて我々だけの場所ができることとなった。島民の目に留まる場所で、活動しているのが見えるようにした。また、離島に若者が通うこと、モチベーションを維持することも難しい。畑をすることは、日常的なことで、良くも悪くも成果が見えやすい。メンバーにとって、達成感や楽しみを感じやすい。一つの目的になり、島に行かない日も繋がりとして保たれる。畑は若者の意欲のモチベートの一端を担う。島民とのコミュニケーションツールの一つとして準備する。
活動の内容及び経過
畑として使える耕作放棄地を探すところから始まった。目星を付け、交渉に伺った。資産を譲るのには険しい表情だったが、勉強のため畑を借りたいとお願いしたら、納得していただけた。耕作放棄地だったので、全体の草刈りから始めた。畑に使う面積と畑の面積は10:1。草刈りをして、熊手で集めて燃やす作業は大変だ。耕運機を島民から借りて土を耕し、島民と一緒に支柱を立てたり、網をかけたりした。夏の水やりは島民の方がしてくださったりして、島民の方と一緒に継続的に取り組めるものになった。畑作業をしていくと、溝掃除や、自治会の草刈りなどでも活躍の場ができた。メンバーも、「そろそろ畑にこれせんといけんなあ」など日々の生活の中で飛島のことを考える時間がふえた。
活動の成果・効果
成果を一言でいうと、大成功だ。本当に、畑をやり始めてよかったと思う。島民全員が先生になれるので、今まで我々に遠慮していた島民の方も話しかけるきっかけになったようだ。島ならではの植え方や世話の方法も、会う度教えてくれた。「無理するなよ」と声をかけてもらい「頑張っているな」と差し入れをもらい、圧倒的にコミュニケーションが増えた。畑をしている島民はまとめて牛糞を注文し、船で届くのだが、いつのまにか我々の分の牛糞も言わずとも注文しておいてくださって、届いている。また、「うちの畑見においでよ」と声をかけてもらえるようになり、島民の方とお約束していっしょに過ごした日も多い。ガーディアンの存在を島全体に伝えられる活動になった。今後はフリースクール育海の生徒とも一緒に畑をずっと継続していく。
今後の課題と問題点
畑の成果としては上出来だが、長期目標の拠点作りは今後も難航することに変わりはない。
2021年度は、拠点作りの次の一歩として、空き家調査に踏み出す。これは、笠岡市協働のまちづくり課とみんなの集落研修所と飛島自治会と一緒に行っている令和4年度地域計画の内容の一部でもある。空き家調査に関しては、都市計画課や定住促進課と連携して行っていく。危険家屋の調査に加え、空き家マップを作成し、一軒でも我々のような島外の人が自由に使えるような雰囲気にもっていく。その雰囲気に持っていくのが難しいが、その先の改修費や活用の方法など具体的にしていく計画は山積みだ。現状の見える化を行い、島民とも空き家状況、危険度を共有し、活用へ空気を持っていく。