イベントを通じ、地域に開かれ伝統文化芸術を継承する「場」として「つくぼ片山家」が周知できた

団体名:特定非営利活動法人 つくぼ片山家プロジェクト
代表者:滝口美保 所在地:倉敷市 設立年:2017年 メンバー数:30名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成(3ヵ年助成)

活動の目的

当法人は「地域社会に対して、岡山県倉敷市帯高に残る古民家である「つくぼ片山家」の保存・活用と文化芸術の継承に関する事業等を行い、人と人、人と地域がつながるまちづくりや地域包括ケアの推進に寄与すること」(当法人定款3条)を目的として活動している。そうした法人の活動目的に則り、当該文化活動助成は、「文化芸術の継承」を中心とした活動に対して助成金を活用した。

活動の内容及び経過

今年度の助成対象活動(イベント)は下記の通り、実施した。

■2019.5.10オープンハウス「能楽night~屋島の魅力を語る」
7月の能楽体験のためのプレイベントとして能楽師林宗一郎先生によるレクチャーイベントを開催。能の演目「屋島」についてわかりやすく講演。

■2019.6.22オープンハウス「大人のための朗読の集い」
昨年に引き続き、朗読家の佐渡裟智子氏のよるハンセン氏病に関する朗読会を開催。ハンセン氏病による差別の歴史を朗読で学ぶことができた。

■2019.7.28夏休み特別企画「能楽体験」
京都能楽囃子方同朋会の林大和先生と京都林定期能の樹下千慧先生による能楽体験講座を実施。学齢期の子供たちに伝統文化を身近に知る機会を提供できた。具体的には講師による「高砂」の実演、能の所作や鼓の体験などを実施した。

■2019.10.13オープンハウス「古民家でお月見とコンサート」
尺八演奏家の岸本寿男氏による「尺八講座」とコンサート。会場では障害者作業所のメンバーが作成した月見弁当を提供。つくぼ片山家の能舞台を利用した尺八のコンサートを通して、和楽器の知識や月を愛でるという日本古来の風習に触れてもらい、伝統文化を知る機会づくりとして会を開催した。

■2019.12.15オープンハウス「藁のワークショップ2019」(しめ縄づくり)
地域住民有志によるしめ縄づくり体験のワークショップイベントを開催。指導者によるレクチャーを受けながら、しめ縄づくりを体験。日本古来の風習である年を迎える準備としてのしめ縄づくりを通して、日常的な文化継承を学ぶ機会を提供した。

活動の成果・効果

つくぼ片山家がもつ能舞台や茶室といった施設群を積極的に伝統文化の振興や継承、活動PRの場とすることにより、地域活動に関心のある層に加え、伝統文化に関心のある熱心な層も当法人の活動に興味・関心をもっていただくこととなった。また、近隣住民からの施設利用依頼や企画提案も増加しており、地域活動がより促進された。

今後の課題と問題点

①活動継続のため資金確保
②地域住民(特に「若者層」「壮年期層」)への活動浸透度が低い

PDFアイコンPDFで見る