伝統文化伝承教室を開催、祭りを勉強、参加し、冊子にまとめた

団体名:飛島ガーディアンプロジェクト
代表者:日置幸 所在地:岡山県 設立年:2018年 メンバー数:10名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成

活動の目的

居住人口30人以下、高齢化率約90%の飛島では昔から続く嶋祭りがある。祭りをよく知る方々は皆さんご高齢で担い手は不足している。現在の私たちにできる限り、祭りを体験して、情報を収集し形に残そうと思った。文字だけの文書はいくつか残っていたが、若い人向きではないと感じた。また、嶋祭りは船での移動のため周りから見えにくい。そのため一目で見て祭りの動きや概要がわかるようなものにしたいと思った。

活動の内容及び経過

伝統文化伝承教室(2回)では集落や年齢問わず島民が参加してくれた。旧暦で生活する島民の年間行事や祭り唄や盆踊り、ようこ節を習った。伝統文化伝承教室以外でも聞き取りや道具庫、神社の見学をした。歌の練習は嶋祭り当日には実際に祭りに参加した。その後冊子の編集に取り掛かった。島民と連絡を取り、神社部や青年部のかたから話を聞く機会もとれた。また、飛島運動会、敬老会、6島運動会の運営サポートも行った。飛島運動会では、準備、音響、司会、競技への参加、片づけ。敬老会では、準備、音響、片づけ。6島運動会では、競技への参加。年間行事のサポートだけでも月一の活動では間に合わないので月に2、3回活動した。島内の様子は逐一教えてもらい状況を把握した。

活動の成果・効果

メンバーの意欲向上。まだ飛島の知らないことがたくさんあることを実感した。祭りのことを調べるほど疑問点が湧き積極的に島民へコミュニケーションを取るようになった。また、島民もガーディアンを頼ってくれるようになった。何かあるたびに会議等で「ガーディアンに頼もう」「ガーディアンが来れる日に行おう」と声が上がっていると聞いた。一番うれしかったのは「ガーディアンが居なかったら大変だった。ガーディアンが居てくれて良かった。」という言葉だ。この一年で、島民の認知度は確実に上がった。また、島外の方からも連絡が来るときもあった。飛島で何かできることはないか、飛島でしたいことがあるがサポートしてほしいという内容だ。商業施設が何もなく、当然公共交通機関もないので、初めて飛島を訪れる人にとって案内役は必要だ。自分たちが活動を続けることで関わろうとしてくれる人が増えたのかもしれない。交流人口を少しずつ増やしていくことにつながった。

今後の課題と問題点

団体の存続は飛島の存続にも関わるので、若い子や飛島に関わる島外のメンバーによる我々の活動を継続することが大切だ。メンバーの育成と、拠点作りに時間をかけて注力したい。団体の拡大も図りたいが、昨年興譲館高校の飛島での活動が終わり新メンバーの募集は困難だ。新たな人間関係を築いて道を切り拓いていかないといけない。また、離島での活動で一番大変なのは船代だ。往復2040円は高校生や大学生に決して安くない。若者が安心して島に通える環境を整え、維持していくために、経済面、安全面の問題を解消していくのがこれからの課題だ。拠点作りは、2020年度助成金事業「HishimaGuardianFarmProject」で畑の整備、維持、管理をしながら飛島で活動できる場所を探す。

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