年代を超えてこどもたちが主体的に活動し、地域社会になじみ、地域を支える社会人となるように育成する
代表者:井辻美緒 所在地:矢掛町 設立年:2014年 メンバー数:80名 助成年度:2018年度 教育活動助成
活動の目的
本団体は略称をYKG60といい、県内では略称の方が有名である。矢掛町合併60周年の助成金をもとに立ち上げたのでこの略称をこどもたちが考えた。年代を超えてこどもたちが主体的に活動し、地域社会になじみ、地域を支える社会人となるように育成するとともに、中山間地域の地域おこし・地域創生における若者の役割を自覚させ、矢掛町の発展・充実・振興に資することを目的とする。町・地域と協働して「こどもが主役のまちづくり」を進め、地域住民もこどもも地域活動の一員と認識し企画段階からこどもの意見を取り入れるようになってきた。中山間地域の地域おこし・地域創生における若者の役割を自覚させ、矢掛町の発展・充実・振興に資することを目的とする。
活動の内容及び経過
〇災害復旧から復興、そして新しい価値の創造へ
・9月20日「みんきちハウス」オープン
2018年7月6日に発生した西日本豪雨災害によって、矢掛高校に通う5人に1人、82人の生徒が被災した。被災して、親戚の家や、みなし仮設住宅などで自分の一人の空間を持てない生徒もいる。どんな使い方でもいいから、何にもしなくて良いから、美味しいもの食べたり、音楽聞いたり、お昼寝したり、おしゃべりしたり、ゲームしたり、漫画読んだりという自由なスペースが必要。9月20日「みんきちハウス」を矢掛町から借り受けた施設でオープンさせた。宿題を高校生にみてもらう小学生。Bluetoothで音楽流して踊る小学生&高校生。自分の勉強を進める高校生。電車までの空き時間を過ごす高校生。いろんな話をしている中学生と高校生。
・10月18日「矢掛高校生だっぴ」開催
高校生や専門学校生、大学生など、大人の少し手前の子どもたちへの公的支援は、ポッカリと空いているように感じられた。収束ムードになる中で、我慢しつづけている彼らに何かアウトプットする場が必要なのではないか。起こったことをちゃんと受け止め、安心して前を向けるような、そんな場を作っておきたいと考え、災害支援活動の一環として「矢掛高校生だっぴ」を実施した。
・2月被災した矢掛高校生と大阪府立芥川高校との交流行事の開催
西日本豪雨の被災地復興を願うチャリティーコンサートを計画している大阪府高槻市、芥川高の生徒ら4人が10日、事前学習の一環として甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区を視察した。同地区で被災した矢掛高生9人の案内を受け、説明に耳を傾けた。11日には矢掛高で交流会があり、同高生が被災体験を語り、芥川高生と意見交換した。
〇年代を超えたこどもたちの主体的な活動
- 6月矢掛町内で「発達障がいを持った人との交流会」を開催『伝統に触れよう親子で神楽面絵付け!』
- 6月4日みんきちオープン
- 7月西日本豪雨災害復旧ボランティア
- 8月復興支援「矢掛だよ全員集合夜市」をYKG60チーム肉まんが開催
- 11月 「まびっこ秋まつり」にYKG60チーム肉まん出動
- 12月矢掛町内で「発達障がいを持った人との交流会」を開催『みんなでスイートポテト&リース作り!』
- 12月限界集落山ノ上地区の干し柿祭で「雲の上カフェ」を開催
- 2月全国高校生マイプロジェクトアワード関西大会に参加
活動の成果・効果
地域課題解決活動にこども自身が参画していく活動を通して、地域の未来を担う能動的主体としてこどもたちが成長していくとともに、参画を通して地域の変容を期待する。YKG60は、環境問題から始まり発展してきた。地域に目を向けた小中高校生を含む地域住民は、さらにグローバルな視点を持ち始めている。田舎に住んでいてもインターネットやSNSを活用することで海外と交流するまでの効果を期待する。
今後の課題と問題点
矢掛町は県南西部に位置し、小田川の流域に開けた人口14000人の町で、江戸時代山陽道の宿場町として栄え、当時の本陣、脇本陣が今も旧姿をとどめる歴史と文化の町である。中山間地域の自治体として少子高齢化・定住人口の減少などの課題を抱えている。多様化・高度化する生活意識の変化に対応し、生き生きと豊かで快適な生活が送れるよう、生活基盤の整備や自然と人が共生できる環境の確保を図るとともに、地域社会における人と人との交流を深めるための取り組みを進めていくことが必要となっている。