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ぼくが、わたしが活動を始めた理由
「客席がおもしろい」と各地から表現者集まる
小さい劇作家フェス実行委員会 代表 スミカオリ
「岡山劇作家会」劇作家の河合穂高さん、角ひろみさんとの出会いが、最初のきっかけです。この会は劇作の探求や対話を目的にお二人が小さく始めた会で、情熱と実力の勢いと切実な問題意識が活動の柱です。7人参加の戯曲勉強会から始まり、岡山芸術創造劇場に協力いただき、来年2月にハレノワの小ホールでフェスを予定しています。
昨年10月の長屋での「ゆっくりふくらむ劇作家フェス」、今年1月のハレノワでの「小さい劇作家フェス」と続く中、「劇作家」をフックにいろんな人に出会いました。この人たちは人の話をかなり真剣に聞き、人と違うことを言うのが得意で、面白い人たちです。特に若い人たちの、面白いことをやりたいというちょっと異常な情熱みたいなもの、さらに企画や制作の態勢づくりに及ぶ視野の広さに驚きました。丁寧に誠実に独自の形でやっている面白がりの人たちが、戯曲と劇作家が主役のフェスに集って、掘り甲斐のある戯曲をゴリゴリ掘り深める場が今度もつづいていくと、観客席にも他では得られない豊かな創造が増えるにちがいない、というのが主な活動の理由です。
公演は本気の人たちが練りに練って表現を厳選する上に、戯曲自体は文字だけなので、読むだけでは私にはほとんどわかりません。が、何度見ても新たな気づきがあって何度も感動できるのがホンモノだとすると、作品を味わうために何度も⾜を運ぶ、見るのがうまい観客が増えた将来、「岡山の客席はおもしろい」と各地の表現者が集まってくるんじゃないか……と妄想しています。