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ぼくが、わたしが活動を始めた理由
指定50年を機に農村歌舞伎復活
広野子ども歌舞伎教室 忠政泰男
「地域の子ども達と一緒に事業をするなんて信じられない。嘘だろう?」と自分の声が聞こえる。
10代から50年近くも津山を離れ(口の悪い友人は「君は津山を棄てた」と言った)、津山の事はほとんど知らない状態の私が2020年から公民館長を始めたことが子ども歌舞伎の教室を始めたきっかけです。
知識としては知っていた国指定の重要有形民俗文化財「田熊の舞台」が2025年に指定50周年を迎えます。農村歌舞伎の舞台でありながら10年以上もの間上演されていない。「また回り舞台で歌舞伎が出来たらよいなぁ」という地域の方々の思いもあり、また、子どもの居場所づくりとして子ども歌舞伎を立ち上げれば、中断していた農村歌舞伎の復活継承ができる。幸い、公民館と広野小学校が隣り合わせになっており、公民館を挟んで地域との連携もスムーズ。連合町内会広野支部が中心になって記念事業実行委員会を立ち上げる時、子ども歌舞伎も含めてもらった。50周年を祝う式典当日は、「子ども歌舞伎」のために集まったのではないかと思うくらいに地域の方々が盛り上げ、支え、力になってくださいました。津山市や津山市教育委員会の協力で、隣町奈義町の横仙歌舞伎との繋がりが出来、歌舞伎の指導を受けられるようになりました。
今後は、この子ども歌舞伎を継続し、学校や地域と協力しながら地域の芸能文化を復活継承していくことを目指しています。他地域とも連携し拡大できれば更にうれしい。
〈出典〉ふえき 84号(2024年5月25日)