地域学のススメ

地域の活性化に貢献するリーダーの育成

邑久高等学校セトリー運営指導委員会 矢野祥子さん(教諭)

  • 知る
  • 2022.05.18

セトリーでは、地域の企業や施設の見学やインターンシップ、外部講師による講義、取材や実験などを積み重ね、生徒自身が「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・発表」を1年かけて行います。

矢野祥子さん

昨年度の実践報告会では、「教育旅行を瀬戸内市に誘致しよう」「ハンセン病による差別/裁判について」「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)による稲苗の食害軽減と肥料化」などの研究テーマについて、4グループ7班がポスターセッションとスライド発表を行いました。毎年地域の方にもたくさんご参加いただいていますが、昨年度はコロナ感染拡大のため参加人数を制限し、その代わり教室へのオンラインでの配信を行いました。

取り組みを始めて5年。地域との連携が進み、地域への関心が深まるとともに、自己の進路意欲も高まっています。地域の方からも邑久高校に関心を持ってもらえるようになり、活動への協力の申し出も増えました。私自身も瀬戸内市の特色や資源の豊富さに興味を惹かれるとともに、多くの地域の方とセトリーの活動を通して温かい関係を築くことができました。高校生の活動を応援してくださる地域の方々は高校にとって共に歩むパートナーであり、地域学のリアリティと継続性を担保する大切な財産であると感じています。地域学は、生徒の主体性や協働性といった成長を促すとともに、邑久高校の魅力にもなっています。

左から、溝田七海さん、有田花梨さん、松本倖葉さん、竹内愛美さん、岡﨑帆南さん

研究テーマ:「教育旅行を瀬戸内市に誘致しよう」に取り組んで

岡﨑帆南さん(3年生)
「セトリーの活動を通じて、やり遂げる力がつきました。楽しいこともたくさんありましたが、苦労したことや大変だったこともありました。しかし、メンバー全員で協力しながら、最後までやり遂げることができました。」

松本倖葉さん(3年生)
「私は地域の方と話すようになりました。これまでそのような機会が無かったため、初めは緊張して上手く話せませんでしたが、セトリーの活動で様々な地域の方とお話しするうちに、自然に話せるようになりました。」

有田花梨さん(3年生)
「地域の課題解決に取り組む中で、協力することの大切さに気付きました。セトリーでは発表する機会が多くあり、発表に向けて作業分担したり、アイデアを出したりする体験を通して、協力して行動する力がつきました。」

溝田七海さん(3年生)
「私は人前で話すことが苦手でしたが、瀬戸内市のことを学ぶうちに、多くの人に知ってもらいたいという気持ちが大きくなり、発表を重ねるうちに、人に伝わる話し方を工夫しながら発表できるようになりました。」

生徒たちが作った発表資料

(2021年5月25日 FUEKI No.75)